学生相談所の紹介をします!

こんにちは!ピアサポートルーム相談機関ガイド作成チームです。

東京大学にはたくさんの相談機関があります。
相談したいけれど、どこに行けばよいかわからない・・・
「相談機関ガイド」は、そんな学生さんに、それぞれの相談機関の特徴や、どんな人が相談に乗ってくれるのか、を知ってもらうことを目的としたガイドブックです。

このガイドブックに掲載される、各相談機関へのインタビュー記事をこちらのページでも配信していきます!
今回は「学生相談所」へのインタビューをお届けします。

 

 

 

学生相談所とは?

学生の皆さんが心の問題について相談するところです

問題解決のために

学生相談所では、個々の相談に応じて、さまざまな対応を行っています。

カウンセリング

カウンセリングでは、将来の進路、学業意欲、人間関係、性格、心の健康などのさまざまな問題について、あなたに一番ふさわしい道をともに探求します。

コンサルテーション

学生相談所では、家族や友人、クラブや研究室のスタッフなど、周りの人が心理的問題を抱えているときにどう対処したらよいかといった相談(コンサルテーション)も受けています。また、御家族や教職員 の方々がどう学生に接したらよいのかの相談も受けています。 
(公式HPhttp://dcs.adm.u-tokyo.ac.jp/scc/からの抜粋)

本郷学生相談所の利用案内
・場所:プレハブ研究A棟 1階
・日時:月~金曜日 10:00~17:00 休日・年末年始除く
・予約制(ホームページ、電話、現地に来室して、のいずれからでも可能)

※駒場・柏キャンパスにもありますので、ホームページをチェックしてみてください!

 

 

実際に相談活動を担当されている臨床心理士の先生にお話を伺いました。先生、よろしくお願いします。

――まず、相談に至るまでの手続きを教えてください。

申し込み方法は、ホームページに書かれているように、直接足を運んでいただくか、電話か、webの申込フォームを使ってください。Web予約の学生さんが多いですが、先生や友人が連れてきてくださるときは直接申し込みの場合があります。遠方のご家族が電話で予約されることもあります。

 

―本人以外が予約する場合もあるんですね。学生相談所のホームページに、「カウンセリング」と「コンサルテーション」というのが載っていましたが、それが「コンサルテーション」でしょうか。

カウンセリングとは、困っている本人にお話を伺って、解決策や楽になる方法を一緒に考えていくもので、コンサルテーションとは、家族や先生など、ご本人のための相談に別の方が来るものです。ご本人の承諾が得られれば、カウンセリングとコンサルテーションを同時並行で行うこともあります。

 

――では、相談所に来てからは何をするのですか?

まず、「相談カード」というものがあり、名前、所属、生年月日や、入進学年度、簡単な相談事項(学業・進路・対人関係・心理・その他)を書いてもらいます。秘密の取り扱いについても合意を交わします。

 

――カウンセラーというのはどのような人たち(資格や専門性など)なのでしょうか?

全員が共通して持っているのは臨床心理士という資格です。大学院で所定のプログラムを修めた人たちに与えられます。これは学会資格であって国家資格ではありません。昨年初めて、国家資格である公認心理師の試験が実施されました。大半のカウンセラーが取得予定ですね。

 

――では、相談についてです。相談して、どのような言葉が返ってくるだろうかと、不安に思う人もいるかもしれません。相談を受ける中で気をつけていることは何ですか?

その方が体験したことを否定せずにそのまま受け止めることに全力を傾けます。

 

――自分が相談室を利用するとは思ってもいない学生や、「こんなことで相談に行っていいのだろうか」「迷惑かけないだろうか」と心配する学生もいると思います。

どのような人に/ときに利用してほしいですか?

「こんなこと人生ではじめて」と気づいたとき、誰でもですかね。初めて眠れない、初めて集中できない、など何でも。どんな小さな「初めて」でも、その人にとってのピンチである可能性があります。初めて一夜漬けでテストがうまくいかなかった、初めて好きな人ができたなど、どのようなものでも、その人にとってピンチになることもあれば、チャンスになることもあります。一緒にそこにうまく出会っていくために。初めてだと思ったときに来ていただければ、長引かずにうまく乗り越えられるかもしれません。

 

――経験のないことにぶつかっても、誰にも頼らず知識で解決しようと無理してしまう人もいるように思います。

東大生特有かもしれませんけれど、「べき」が出てくるとあまり良くないかも。「こういうときどうしたらいいんだろう」と本を読むなどして、みんなこうやっているのだから自分も頑張るべきだ、というように、先に目標が出てしまって、心がついていっていないことがあります。

――相談に来る人が「べき」と言うことは多いですか?

多いですよ!「べき」でなくても、「みんなこうしているのに、できない私が悪いんですよね」とか。アクション、つまり「どうするか」で頭が一杯になっていて、自分がどう体験していて、どう感じていて苦しいのか、といったことが、言葉にならない人に来てほしいのです。その人の中で体験が消化できるよう手伝いたいと思います。問題解決はできればよいですが、できない場合もあります。具体的に何をする、という答えがすぐに出せない場合は、その人が悩みを抱えたままでも過ごせるように手伝います。

 

――専門のカウンセラーに相談するのは、信頼できますが、相談するには勇気がいると感じる学生もいると思います。自分のことは自分で解決すべきだと考えがちな学生、具体性のない漠然とした不安を覚えている学生、他人に理解されなさそうな悩みを抱えている学生、自分自身にも非があるような問題に苦しんでいる学生など、相談機関を利用することに心理的ハードルのある学生に対して、何かメッセージをいただけますか。

全部に違うメッセージを差し上げたいですね。

まず、「自分で解決すべきだ」は東大生に多いと思います。一生誰の力も借りずに生きていくことはできません。東大生は能力が高いのである程度のことは独力で解決できてしまうかもしれませんが、この先も自分で解決すべき程度の体験しかできないとしたら、すごくもったいないしつまらないですよね。チームで解決できるような大きなスケールの仕事とか、人の知恵を借りて自分がひらめく体験とか、自分だけではできないことの方に人生の豊かさはある気がします。なので、悩みに関係なく、それを体験してほしいと思います。

ある先生が「問いが言語化できたら研究の7割くらいは終わったも同然」とおっしゃっていました。あるいは塾講師の経験がある学生さんには共感していただけるかもしれませんが、勉強が苦手なお子さんはそもそも何がわからないかもわからないことが多いです。逆に、何がわからないかを言語化できたらそれだけでスッキリすることすらあります。私達は、皆さんがそもそも何に困っているかを言葉にするということを専門家として手助けすることもできます。

――「具体性のない漠然とした不安」それ自体が、相談に来るに値する理由なのですね。

まさにそうです。漠然とした不安でまとまらないからと相談をためらわれる必要はありません。むしろその漠然さに気づけただけで万々歳です。漠然としたままでどうぞ相談にお越しください。

「他人に理解されなさそうな悩み」については、「自分の悩みは人には理解されないだろう」「一生続くだろう」と確信を持っていらっしゃる人もいるかもしれません。しかし、一つしか確信が思い浮かばないときは、本当にその一つしかありえないのかだけでも確かめに来てほしいです。一つの問いに一つの答えしかないということはあまりないと思います。

「自分に非がある問題だから相談しようがない」と思っていらっしゃる人にお伝えしたいのは、一方だけに100%非があるという問題はないはずだということです。非がない人生を歩んでいる人もいるわけがありません。全員が何かしら非なり黒歴史なり苦しい体験は持っていて、そのことと共に生きているはずです。その人が自分の苦しみと一緒に生きていけるよう、まずは「非」の何に苦しんでいらっしゃるのかを知りたいです。

 

――「相談したところで解決しないんじゃないか。」これはありがちな発想だと思いますが、そのような考えの人に何か伝えるとしたら?

ありがちな発想ですね。「カウンセラーは自分のことを知っているわけじゃないし」、と。しかし、その人にとっての「解決」をご自分で選べるよう、選択肢を広げるのもカウンセラーの仕事だと思います。年齢も背景も学生さんと違うからこそ学生さんとは違う視点で選択肢を示せることもあると思います。

相談したところで解決しないと思っている学生さんは、自分のことは自分が一番良くわかっているから自分で思いついたものが最善の解決方法だと思っていらっしゃるのかもしれません。しかし別の人に話してみることで、唯一の解決方法だと思っていたのとは別のアイデアが生まれることもあります。たとえ解決しなくても自分自身に対する新たな発見があるかもしれません。そもそも、ある課題に出会ったときに自問自答だけで終わってしまうのはもったいないと思います。一つ一つの体験にもっといろんな意味を持たせると人生が豊かになる気がします。

――人生が豊かになる……。究極的にはそれを目ざしているのでしょうか?

そうです。解決を急がず、葛藤をそのまま抱えておくことが必要な局面もあると思います。相談に続けて来てくださるうちに、問いがどんどん変わっていくこともあると思います。どんな体験でも、その人が悩みや課題に気づき、向き合うことが今後の豊かな人生の糧になるよう手助けしたいと思います。そのためには、まずは、相談に来るということ自体を安心して体験してもらうことが大事だと思っています。

 

――ありがとうございました。

インタビュー日時:2019年7月12日

※本文中の用語・制度・法令・資格等はインタビュー時点のものです。

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