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新生活への不安にどう向き合うか
~不安のメカニズムと不安への心持ち~
――――――――――――――――3月号

■目次■
1.3月になって不安を感じる場面
2.不安とは何なのか
3.不安を和らげるためのヒント
4.さいごに・参考書籍

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1.3月になって不安を感じる場面
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3月は別れの季節です。
卒業式を控えている方や、自分の身の回りの人ともうすぐ離ればなれになってしまうという方がたくさんいるかと思います。また、駒場から本郷へと移り、これまで住んでいた家に別れを告げる方もいることでしょう。そうした別れを迎える上で不安を感じる方も大勢いるのではないでしょうか。

不安を感じる場面というのは、例えばこんな場面です。
●大学を卒業して社会人・大学院生に立場が変わる
●学年が上がる(駒場から本郷に移動する、卒業研究やゼミが始まる……など)
●新年度になって新しい人間関係の輪の中に入る
●4月から家族と離れて1人暮らしを始める
●大学卒業や進振りによって友達や身の回りの人と離ればなれになる

このように、3月になると新生活に対する不安を多く感じるようになります。こうした不安に対処するために、まず「不安とは何なのか」を明らかにし、そして不安を和らげるためのヒントを紹介していきます。

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2.不安とは何なのか
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不安とは、あいまいな未来の事柄に対して抱く怯えの感情のことです。
これだけ言っても分かりにくいので、お化け屋敷を想像してみると分かりやすいかもしれません。お化け屋敷は、いつ、どこでおばけが出てくるか分からなくなっています。このような、何が起こるか分からないものに対して私たちは不安を感じるのです。

では、なぜ不安を感じるのでしょうか。それは、良くない可能性に対する準備をするためです。すなわち、危険を察知し対処するために、私たちは事前に不安を感じるようになっているのです。しかも、この仕組みは下等生物にも共通する脳の原始的な部位に存在しています。つまり、不安は誰もが感じる原始的な感情なのです。ですから、不安を感じることを後ろめたく思う必要はありません。

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3.不安を和らげるためのヒント
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では、ここから不安を和らげるためのヒントをいくつか紹介していきます。

●不安が落ち着くのを待ってみる
不安は一度高まった後、しばらくすると落ち着いてきます。ですので、ゆったりした気持ちで少し時間を置いてみると良いと思います。
●不安に感じるものを一旦自分の外に出してみる
不安に感じる対象を紙に書いたり人に話したりすると、何に不安を感じているのかを整理することができます。すると、これまで漠然としていた不安の原因が少しはっきりしてきて、不安も少し和らぐことでしょう。
●自分の心が安らぐような行動をする

不安な状態とリラックスした状態というのは、実は共存しません(この反応を拮抗反応と言います)。つまり、リラックスした状態では不安な気持ちが生じないのです。ですので、温かい飲み物を飲むなど、何か自分の心が安らぐものを見つけてみましょう。そうすれば、不安な気持ちが生じたときも、自分の心をリラックスさせることで不安をコントロールすることができるようになります。

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4.さいごに・参考書籍
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【さいごに】
いかがだったでしょうか?もしかしたら、このメルマガを読むだけでも少し心が軽くなったのではないでしょうか。今回は不安を和らげるためのヒントを紹介しましたが、先ほども書いた通り、不安とは「良くない可能性に対する準備」をするために感じる感情です。ですので、新年度に対する不安への一番の特効薬は、新年度に向けて準備をしっかりすることです。今回紹介したヒントを元に不安を和らげて、落ち着いた状態で新年度への準備をしてみましょう。きっと、色々はかどると思いますよ。
4月から良いスタートが切れることを期待しています。
次号では「初対面の人との話し方」についてのヒントを紹介していきます。乞うご期待!

【参考書籍】
・大野 裕 著『こころが晴れるノート―うつと不安の認知療法自習帳』創元社、2003年
・デイビッド H. バーロウ、クリステン K. エラード、クリストファー P. フェアホルム、トッド J. ファーキオーニ、クリスティーナ L. バッソー、ローラ B. アレン、ジル T. エーレンレイク-メイ 著 伊藤正哉、堀越 勝 訳
『不安とうつの統一プロトコル 診断を越えた認知行動療法 ワークブック』診断と治療社、2012年

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